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2016-07-18

「嵯峨と冬嗣」

弘仁十四年、嵯峨太政天皇は冬嗣に対し、こう洩らしたことがある。
「亡妹高志内親王は私と同腹で、先帝桓武天皇が愛情を注いだ愛娘であった。大伴皇子(後の淳和天皇)のもとに輿入れしたが、美人薄命というごとく、にわかに亡くなってしまった。所生の恒世親王を皇太子にしようと思ったが、陛下(淳和)は私の気持ちを推察されず、しいて私の息子正良親王を立てた。再三、恒世親王の立太子をお願いしたが、聞き入れてくれなかった」


「あれは、本心だったのですか?」
冬嗣の表情は怪訝そうである。

「本心だったとも。兄(平城天皇)と上手くやれなかった私は、せめて大伴とは仲睦まじい兄弟でいたかった」

「大伴皇子の方ではどうだったのでしょうね。あの方は、始終怯えておいでだったように思われましたが」

「怯える? 何にだ?」

「地位を剥奪されること、です」 

「誰がそんなことを」

「大伴皇子は、皇位に就かれる前に臣籍降下を願い出ていたではありませんか」

「それは……」

「あなたさまはいつもそうです。なんでも自分の都合のいいように解釈して。大伴皇子の怯えを、謙遜だと誤解して。その結果が、悲劇を招いたのではありますまいか」

「辛辣だな、お前は相変わらず」
嵯峨は苦笑いを浮かべる。

「あなたさまが、それを望んでいるからですよ。本当は、誰かに責められたいのでしょう?」

「そうだな」
嵯峨は力なく笑った。


嵯峨と冬嗣は、死後霊体となって天上から承和の変の様子を見ていたのだった。


「冬嗣」

「なんですか?」

「私がもっと長生きしていたら、事件は防げたであろうか」

「いえ、どこかで歪が生じていたでしょう」

「めずらしく優しいな」

「本当のことを言ったまでです」

「そうか……。」

「私たちには、もう何もできないのです」
慰めるように冬嗣が言う。

「正子には、かわいそうなことになった……」

「とりあえず、酒でも呑みましょう。酒でも呑まなければ、とてもあなたさまの愚痴には付き合いきれません」

「はは」
嵯峨が乾いた笑いを漏らす。

「お前はよくやってくれているよ。こうして死後まで私に付き合ってくれて」

「あなたさまの面倒は、他の人間には任せられませんから」
そう言って、冬嗣はぷいと横を向いた。
照れているようであった。


〈おしまい〉
よかったら正子内親王主役の「孤城の后」も読んで下さい(*^^*)
承和の変について詳しく書かれてあります。
http://shionnoidashiginu.blog.fc2.com/blog-entry-352.html
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2016-07-01

思いつきホロスコープ診断8

2010/02/11 10:38 参照数87

そろそろネタも尽きてきたので、個人的にものすごく「やっちまったなー」感のある天皇三人組の一人、後醍醐天皇のホロスコープを診てみます。(ちなみにあとの二人は後白河と後鳥羽)。


正応元年11月2日、京都生まれ。
西暦にすると1288年11月26日。

<改討後>
射手座の第一旬の太陽
開放的な性格で楽天家。好奇心が強く、浮気性で興味の対象がコロコロ変わることも。自由を求め、束縛をなにより嫌います。
第一旬の太陽。支配星である木星の影響を二重に受けます。機知に富み、素早い決断と行動力で成功するでしょう。人生に多くを望み多才です。しかし、木星の否定的な部分が現れると、考えや行動がせっかちで落ち着きがなくなります。他人に多くを求めながらも無責任で、物事を完遂させることが困難になります。

乙女座の月
神経質で小心者ですが、批判はします。
細部を見落とさない注意深さがある反面、度を越して小うるさく、干渉的になることがあります。

木星、天王星、水星が水星を中心にティ・スクエア
天王星の革新性や発想力を上手く活かすことができません。理詰めで物事を考え過ぎたり、上手くコミュニケーションをとることが出来ない傾向があります。物事を過度に楽天的に捉えて失敗することもあります。
水星と天王星の凶座相。精神的エネルギーが多方面に拡散しがちで、そのために才能を無駄にすることも。
人に理解されにくく、社会的に追放される危険があります。
木星と天王星の凶座相。誤った思想や信念に固執する傾向。主義や見解の相違から、共同事業に失敗します。

太陽と金星の合(0度)。
品性穏やかで情愛細やかな性格です。
上位者から愛顧されやすく、また上流の社会に属する人々のあいだに友情を持ちます。
男性は裕福な金星の加護を受けような女性と縁があります。

これに土星がスクエア(90度)。
頭でっかちになりがち。
頑固で意固地な印象を持たれることも。

火星と海王星のトライン(120度)。
力強く熱狂的な性格です。
主観が鋭く、理想を熱心に追求します。
霊的・精神的大望のために感情と情熱をコントロールする気分が強いでしょう。


   まとめ
火星と海王星のトラインの、過大な理想主義が根幹にあったのかな、という印象です。
木星と天王星の凶座相の「誤った思想や信念に固執する傾向。主義や見解の相違から、共同事業に失敗します」にもうなずけるものがあります。大惑星の凶座相は、通常必ずしも個人に影響を及ぼすとは限らないのですが、この方はT-スクエアに組み込まれていますからね。水星が絡んでいるので、口だけの軽々しい人、口うるさい人、といったところがあったかもしれません。

改訂前のにも書いたこと↓
火の星座(牡羊座・獅子座・射手座)と地の星座(牡牛座・乙女座・山羊座)ってあまり相性が良くないからなぁ。なりたい自分(太陽)と、ありのままの感情(月)が喧嘩してしまっている感じなのかも。対外的には器の大きさをアピールしたり、何事にも動じないようにしているけれど、本当は神経質で小心者だったりして、ね。



<改討前>

射手座の第一旬の太陽
開放的な性格で楽天家。好奇心が強く、浮気性で興味の対象がコロコロ変わることも。自由を求め、束縛をなにより嫌います。
第一旬の太陽。支配星である木星の影響を二重に受けます。機知に富み、素早い決断と行動力で成功するでしょう。人生に多くを望み多才です。しかし、木星の否定的な部分が現れると、考えや行動がせっかちで落ち着きがなくなります。他人に多くを求めながらも無責任で、物事を完遂させることが困難になります。

乙女座の月
神経質で小心者ですが、批判はします。細部を見落とさない注意深さがある反面、度を越して小うるさく、干渉的になることがあります。

木星、天王星、水星が水星を中心にティ・スクエア
天王星の革新性や発想力を上手く活かすことができません。理詰めで物事を考え過ぎたり、上手くコミュニケーションをとることが出来ない傾向があります。物事を過度に楽天的に捉えて失敗することもあります。
水星と天王星の凶座相。精神的エネルギーが多方面に拡散しがちで、そのために才能を無駄にすることも。
人に理解されにくく、社会的に追放される危険があります。
木星と天王星の凶座相。誤った思想や信念に固執する傾向。主義や見解の相違から、共同事業に失敗します。

水星と金星がコンジャクション
男性は若くて頭の良い女性と結婚する傾向があります。
ウィットに富み、明るく気さくです。人付き合いが良くて社交的。趣味も多いでしょう。 
これに火星がそれぞれセキスタイル
情熱的な性質が加わります。

海王星と冥王星のトライン
この座相が形成された期間に人々に精神的な変化が起こることを表します。神秘的な事柄や超常現象への興味が生まれやすいとき。新興宗教が台頭し、新たな価値観が生まれることもあります。異常心理を生じやすい危険性も。
これに太陽がそれぞれセクスタイル
大惑星の形成する座相の影響は、個人というよりその期間に生まれた人たち、すなわち世代や時代に及びます。しかし、この方は太陽が関係しているので海王星と冥王星の座相の傾向が本人の性格にもかかわってきます。
宗教的なことに興味を抱きやすく、自らがその中心になることもあり得ます。社会で起こっている思想の変化や流れ
を自身の成功に利用したり、自己実現の手段にすることがあります。

月と木星のトライン
感情豊かで宗教心に富みます。恵まれた子供時代を送る人が多いでしょう。人脈を広げることや、対人関係をビジネスの場に持ち込むのが上手です。大衆的な人気を得ることも可能です。

太陽と土星のスクエア
目標を達成する上で、頑固さや真面目さがあだになってしまうことがあります。実力があっても不運な障害に遭いやすい。野心家である割には小心で、向かない環境が失敗の原因を作ります。過度の警戒心と他人への冷淡さのために人望を失います。



…わりと普通でした。(←微妙に失礼)

こうして見ると、良くも悪くも木星の影響を強く受けてるのかな。射手座の支配星は木星だし。宗教や教育、浪費といったことにウェイトを置く傾向があるかも。

華があって知性も持ち合わせていて、魅力的な人だったとは思いますよ~(水星・金星・火星の関係から)。
人を惹き付ける吸引力のようなものを持っていても、それをずっと維持することが出来るか、となると話はまた違ってきてしまうのですが。風変わりなところや我の強さから、徐々に人望を失ってしまう危険性は持ってます。

「他人に多くを求めながらも無責任で、物事を完遂させることが困難になります。」南朝方として戦ってあえなく散って行った人たちの姿が目に浮かんだよ…。「人に理解されにくく、社会的に追放される危険がある」「共同事業に失敗」とかどんぴしゃじゃないか。

火の星座(牡羊座・獅子座・射手座)と地の星座(牡牛座・乙女座・山羊座)ってあまり相性が良くないからなぁ。なりたい自分(太陽)と、ありのままの感情(月)が喧嘩してしまっている感じなのかも。対外的には器の大きさをアピールしたり、何事にも動じないようにしているけれど、本当は神経質で小心者だったりして、ね。

   参考文献
岡本翔子 心理占星学入門 2000 扶桑社
石川源晃 1992 [演習]占星学入門 平河出版社
石川源晃 1991 [実習]占星学入門 平河出版社
流智明 1986 占星学教本 JICC出版局
ルル・ラブア 2005 占星学 実業之日本社
プロフィール

ゆきめ

Author:ゆきめ
ブログタイトル:しおんのいだしぎぬ。

日々のこと、趣味について語りたいと思います。
心理学、西洋占星術、歴史(主に院政期)など。
よろしければおつきあいくださいませ☆

2012年11月6日ウェブリブログから移行しました。記事の上にある参照数とブログ気持ち玉はウェブリブログのときのものをそのまま載せたものです。

公募小説の投稿などは「遠野紗雪」という名前を使っています。
note、「小説家になろう」サイトにも投稿しています。

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